革の種類を理解してレザークラフとを楽しもう!
レザークラフトを始めるにあたって、革を加工する道具は必要ですが、何よりも素材となる革が重要です。革一つで出来上がった物の見た目や質感など全てに影響しますよね。さて、本記事では革の種類や特性についてまとめていきます。また、通販で買える安い革は?の疑問に答えた相場も表記していますので参考にご覧ください。
なめしとは?なめしの種類
タンニンなめし
植物性の薬剤であるタンニンでなめす方法です。タンニンなめしを行なった革は丈夫で伸びにくいが傷つきやすいという特徴を持っています。またタンニンなめしを行うと肌色系統の色見になり、販売されているものはなめし後に染料で着色されたものが売っています。
革の経年変化を楽しみたいのであればタンニンなめしの革がおすすめです。ですが、仕上げ次第では経年変化が少ないものもあるので注意しておきましょう。
クロムなめし
クロムなめしはクロムを使って革をなめす方法になります。クロムは人工物なのでタンニンに比べると安価になる傾向にあります。クロムを使ってなめした革の特徴は柔軟性が高く傷つきにくい、耐熱性が高いという特徴があります。経年変化が少ない為、車やソファなどに使用されることが多いです。
コンビネーションなめし
クロムなめしを行なった後にタンニンなめしを行う方法です。タンニンなめしとクロムなめしのそれぞれの特徴を持ったような仕上がりになります。
革の種類と安い仕入れルート
成牛タンロー
タンニンなめしを行なった牛側でヌメ革の一つです。タンニンに浸して加工を行っており繊維が詰まって丈夫な革です。傷つきやすいですが、革そのものが丈夫な為、日常使いで破れることはないでしょう。
ヌメ革
タンローと同様にタンニンなめしを行なった革です。日常使いで破れるようなことはありませんが、水に弱くシミになりやすいのが難点です。手入れをしながら付き合っていく事できれいな飴色になります。レザークラフトでは一番人気の革ですが、タンローに似ており区別する事が難しいです。
サドルレザー
レザークラフト初心者 おすすめ度 |
---|
タンニンなめしの後に表面を磨き上げてツヤを出して厚みのある革です。主に馬具などに使われることが多く、硬くてしっかりした質感が特徴です。経年変化の仕方も特徴的で、独特な飴色が出ることが魅力の一つです。
オイルレザー
レザークラフト初心者 おすすめ度 |
---|
なめしの作業を行う時にオイルをしみこませた革です。表面が傷つきにくく、きれいな光沢が出る事が特徴的です。またしっとりとしてしなやかな質感なので、カバンや財布を制作する時によく使われています。
クロムなめし革
レザークラフト初心者 おすすめ度 |
---|
クロムなめし革は薬品の塩基性硫酸クロムを使用してもなめしを行なった革です。世間で一般的に流通している革の多くがクロムなめし革と言われています。
クロムなめし革の特徴は経年変化がなく、使い込んで変化を楽しみたい人には向かずレディースのバック等に使われているケースをよく見かけます。
ブライドルレザー
レザークラフト初心者 おすすめ度 |
---|
ブライドルレザーの由来は馬の頭部に装着する馬具から来ており、古くから使われている製法で作られた革です。ブライドルレザーは革に何度もロウを塗り込み加工していきます。加工後の状態はロウが表面に浮き出ていて白くなっています。白く浮き出たロウは使用と共に取れていき美しい光沢を放ちます。こまめにブラッシングする事で比較的に早くロウを取ることが出来ます。
コードバン
レザークラフト初心者 おすすめ度 |
---|
革の中でも最高級と評されています。理由としては皮の中で2㎜程の「コードバン層」のみを削り出していて、削り出すことに熟練の技が必要になる為です。削り出しの作業工程が採掘に似ておりその希少性から革のダイヤモンドと呼ばれたりもします。
レザークラフト革に関する予備知識
皮と革の違いは?
革と皮はどちらでも元は動物の皮膚だったものです。それぞれには明確な違いがあり、なめし(防腐処理)をしているかどうかです。つまり皮になめしを行うと革になると言う事です。
革のサイズについて
革はDS(デシ)という単位で面積あたりで販売しています。1DS=10㎝×10㎝です。革は取れた動物の個体差がある為、1枚○○円というような金額の出し方ではなく、1DS当たり○○円とレートを決めて販売していることが多いです。
革の表裏について
革には表裏が存在しています。表面の事を「銀面」、裏面を「床面」と呼びます。
分かりやすく表裏と記載しましたが、スエード等床面を綺麗に毛羽立たせて作品の表に持ってくる場合もあります。また断面の事を「コバ」と呼びます。作品を作る時はコバを綺麗に磨く「コバ磨き」という作業工程も存在します。
革の色について
革には様々な色がありますが、これらは染色剤によって染められています。染色された革は新たに別の色に染色し直すことは出来ません。また染色方法には主に2種類存在します。
顔料仕上げ
顔料仕上げとは革の上から塗料をコーティングするような形で色をつける方法になります。表面からコーティングする為、元々革にあった小傷等を隠して均一な着色が出来ます。
- 革についている傷を隠すことが出来る
- 着色が均一で綺麗に仕上がる
- 経年変化が少なくなったりと革っぽさが損なわれる
染料仕上げ
顔料仕上げが革の上から色を乗せるのに対して染料仕上げは革の中に染みこませて色を付けていきます。
- 顔料仕上げに比べて経年変化が楽しめる
- 水に弱い。変色や染料が溶ける場合がある
- 鮮やかな色の表現が難しい
- 革についていた傷等が目立つ
レザークラフトおすすめの革まとめ
いかがだったでしょうか。一概に革といっても様々な種類が存在しています。似つかわしい種類もありますが、それぞれの種類が得意な制作物と不得意な制作物があります。作品の制作を重ねることで「この種類の革があるから○○を作ろう」などの発想が出てくるかもしれません。